MMTと新型コロナウィルス危機:レイら「ヘリコプターマネーの神話」と日本のMMT主張者の奇妙な(?)主張

twitterで発言したものを単にまとめたもの。

 

MMTの矛盾点については、野口旭さんの論説が整理しています。

 

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MMTの新型コロナ危機についての論説は関心がないのでレイのしか見てないのですが、日本や世界の先進国が事実上のヘリコプターマネー的な政策に転じることにかなり立腹してます。「ヘリマネをMMTというな。ヘリマネはMMTのとる政策ではまったくない」とレイは断言してますね。野口旭さんの解説通りです。

 

レイたちの「ヘリコプターマネーの神話」

https://www.project-syndicate.org/commentary/modern-monetary-theory-is-not-helicopter-money-by-yeva-nersisyan-and-l-randall-wray-2020-04

がその論文です。いまの先進国の採用する財政と金融の協調政策はMMT側からすると否定すべきものですね(少なくともレイたちには)。むしろ政府の就業保証プログラムこそMMTの政策である、と断言してます。

 

ここで奇妙なことが起きます。
MMT側はこのように日本を含む先進国の財政政策と金融政策の協調を全否定してますから、日本でMMTを基に政策提言している人たち(記憶では藤井聡さんや安藤裕議員らはそうだと思うのですが)が、国債を発行して消費減税政策をしろ、というのは典型的に非MMTな政策なのです。